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BLEACH その他WJ好きを発散・羅列? そんな立派な腐女子です
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サイトを諦めました。
何か、もう無理

そんなワケで、こっちにポツポツ載せていく運びとなったのです。
好き勝手やってます第一号のマユ一です。
無駄に増えていきそうな???





「藍色的鳥 -天国編-」


「覚悟はいいネ?一護♥」



 あの日からちょうど一週間。
 そろそろマユリの、怒りも治まったころか?と久方振りに護廷へと向う事とした。
 まずは六番隊に赴き恋次の口止めと、白哉に謝罪を入れなければならない。あの規律と礼儀に厳しい堅物が、騒ぎ――痴話喧嘩――に巻き込まれ大層立腹しているに違いない。あの白皙の美貌に静かな怒りを湛えた姿が容易に想像できた。
 きっと六番隊の面々は、白哉が発する険呑な気配に気苦労で仕事が手に着かないはずだ。
 六番隊へ赴けば一護自身、盛大な説教をくらうことは確実で、想像しただけでも気が重くなる。
「これ以上、先延ばしにすっと白哉に会わす顔もねぇし・・・仕方ねぇ腹括るか」
 寝そべっていたベッドから飛び起きると、押入れを探った。
 以前、マユリから手渡されていた地獄蝶を引っ張り出す。
 掌に納まる透明な箱の中には、羽を拡げたままの蝶がいた。まるで時間から切り取られたかのように微動だにしない。
 見ればルキアの持つ地獄蝶と微妙に大きさが違うが、マユリが精魂込めて作ったモノなので一応大切に扱っていた。
 恐る恐る箱を開ければ、何事もなかったかのように地獄蝶は羽ばたき一護の回りを優雅に舞う。
「コン!悪ィけどアッチに行ってくる」
 ベッドの下で息を殺していたコンに声を掛ければ、オレンジ色の前足?がベッドの下から現れた。
「オウッ!こっちの事は心配すんな!」
 親指を立て前に突き出す姿は、ヌイグルミにしておくには惜しい男前さ。
「じゃ!後、ヨロシク!」
 代行証を胸に当てれば、一瞬視界がぶれ、身体から魂魄が抜け出た。
 斬魄刀を抜き、地獄蝶の導きに従い穿界門をくぐり抜ける。
 開けたその先には見慣れた瀞霊廷が拡がっている・・・はずだった。
「お待ちしておりました、一護様」
 唖然とする一護を迎えたのは、今日も表情に乏しい涅ネム。後に控えるは、開発局の面々だった。
「・・・ネ、ムさん?」
 唖然とする一護の腕を取ると、ネムはスタスタと歩き出す。
「ちょ、俺、六番隊に用がッ」
 腕を振り払おうにも、遠慮が勝り引っ張られるままに、瀞霊廷内を進む。
「六番隊は現在、機能しておりませんので行くだけ無駄かと・・・なんせ隊長が生ける屍ですから」
 力を緩めず、その顔に微笑を浮かべ物騒な内容を語るネムを見つめた。 一護の視線に頬を染め、
「そんなことよりも、マユリ様が首を長くしてお待ちですよ」
 言葉の綾だろうが、実際に首を長がく伸ばしたマユリの姿が想像出来てゾッとした。
「今日は、マユリに会うつもりねぇ・・・」
 静かだが、とこか不気味な光がネムの瞳に走る。それを目にし、一護は続けようとした言葉をグビッと喉を鳴らし飲み込んだ。
「本日、マユリ様は非番ですので存分にお二人の時間をお過し下さい」
 助けを求め後ろを歩く阿近を振り向くが、『わりぃ』とばかりに顔の前で手を合わせる。
「あの・・・開発局の方々、仕事は・・・」
「一護様捕縛にと思いましたが不要でしたね」
 逃げたら容赦しない。と言外に匂わすネムを引き攣った笑みで見遣った。
「ここからはお一人で」
 困惑げな表情になど目もくれず、ネムは腕を解くと一護の背中を軽く押した。
「マユリ様がお待ちです」
 マユリの自室へと続く廊下が、どこか地獄への入口に見えるのは自分だけだろうか?引き返そうにも、退路を断つように並ぶネムと開発局の人間。その目は言外に、前へ進め!と物語っている。
「じゃ・・・いって、きま・・・す」
 縋る視線はネムの笑顔に黙殺された。
 重い足を引きずり、一歩また一歩、マユリとの距離を縮めて行く。
(・・・。前門の虎、後門の狼って、こういうこと言うんだろうな)
 前にも後ろにも進めぬ状況に、渇いた笑みを浮かべその場へ腰を下ろした。
(別にマユリの仕返しが怖い・・・わけじゃねぇんだけどな)
 先の事にしても、あくまでも一護は被害者なはず。後ろめたい想いなどは抱くはずもない立場なのに、この一週間良心がチクチクと鈍く痛んだ。
「やっぱ原液で飲ましたから・・・キレてるだろうな」
 わけも解らず飲ませた薬は、原液だったらしくマユリの姿は約二日間、猫のままだった。
 一日目は、穏やかな時を楽しんでみせたが、二日目にはそれどころではなかった。あの時のマユリの荒れようは、筆舌に尽くしがたい。
 あの怒りに燃える瞳が今も脳裏に焼き付き、思い出すだけでも震えがきた。


「帰りてぇ・・・」
 その呟きに呼応するかのように背後がらは、物騒な気配が漂い始める。
 いつもであれば、開放されてる雨戸も今日はピッチリと閉じられ一筋の日も挿さない。
 5分程、座り込んでいただろうか、背後に床を軋ませ近づく足音がした。
 幽霊は怖くない。怖くては、死神代行など勤まるはずもない。虚も恐怖の対象ではない。
 そんなモノよりも数倍恐ろしい物体を、ココ十二番隊で何度目にしたことか。
 耳を澄ませる必要もなく、後からはマユリに似た笑い声と、四足動物と思しき、床の軋みが近づく。
(間違いねぇ・・・アイツだッ)
 座る床から飛び上がり、後ろを振り切るようにマユリの部屋へ一目散に駆け込んだ。



「やっと着たかネ。」
 肩で息をする一護を出迎えたのは、すっぴんで休日仕様の穏やかさを身に纏ったマユリだった。
「5分・・・正確には、5分36秒だったネ。廊下で立ち往生した時は、このまま帰るのかと心配したヨ」
 本のベージを捲りながら、一護が無事この部屋に足を踏み入れた事を喜ぶように口元を綻ばせた。
「ほら、突っ立ってないでお茶でも飲んだらどうダイ?」
 差し出されたお茶は白い湯気を立てていた。
湯飲みを手に取れば、ジンワリと掌から伝わる温もりに、乱れていた呼吸が収まっていく。
「あ、ありがと」
「別に礼には及ばないヨ」
 出会ってから初めて、と言えるほど穏やかな時が二人に流れる。まるで猫になったマユリを膝の上に載せまどろんだ、あの日が思い出された。
「な・・なぁ、怒ってねぇのか?」
 この雰囲気は壊したくなかったが、靄が掛かったようにすっきりしない状況も何だか不快さが拭えず、一護は自身から切り出した。
「怒る?何についてだネ?」
 心底心当たりがない、とばかりに首を傾げるマユリの姿に言い知れぬ恐怖感が喉元をせり上がる。
 この穏やか過ぎる空気は、もしや夢では?そんな薄ら寒いことが頭を廻り始めた。
「一護?何一人で百面相をしているんだイ」
 一護の葛藤など知らぬマユリは、縁側に座布団を移動させ手招いていた。その顔はどこか楽しそうにも見える。
(不気味すぎる・・・絶ッ対ぇ、裏がある!)
 戸惑いで動けずに居れば、マユリが近付いて来た。
「眉間に皺が寄っているヨ」
 淡い笑みを浮べ、眉間の皺を解すように軽く力を込めて押してきた。緩やかな刺激は、身を委ねてしまいたくなる心地良さだった。


「あ、危ねぇッ!誤魔化されるところだったッ」
 クラリ、と傾ぐ視界に頭を振りながら、マユリの腕から逃れる。
「怒ってんなら、怒ってるって言えよ!タチ悪ぃんだよ!」
 一気に捲し立て、肩で荒い息を吐きながらマユリを睨んだ。
 ポカン、と不思議そうなマユリの顔に次第に苦笑が広がっていく。
「怒っているわけがないだロ。猫になったのは不本意だが、それ以上に気付いた事の方が多かったからネ」
 穏やかに語るマユリを訝しげに見詰めれば、その視線に気付いたのか不快そうに鼻を鳴らし
「不愉快だネ!その顔は本気にしていないネ!」
 眦を吊り上げ、不快感も露わにマユリは一護の腕を力強く引っ張った。
「うぉッ・・・、痛ッ」
 身体に響く鈍い痛みと、腕を掴む強さに眉を顰めながら咄嗟に閉じてしまった目を開けば、さっきまでマユリが手招いていた縁側の座布団の上に座り込んでいた。
「初めから素直に、ココに来ればいいものを・・・まぁ、いいとするか」
 状況を呑込めず唖然とする一護には目もくれずコロリと横になった。
 フム、と一人頷き寝心地を確かめるように、コロコロと膝の上で頭を動かす。「ま、・・・マ、ユリさん?」
「なんだネ?もう少しでしっくり来そうだからチョット黙って居たまエ」
 納得したのか動きを止め、一護の膝に頭を委ねた。
「下らないと思っていたが、こりゃいいネ」
 ご満悦な様子で膝枕を堪能するマユリと、目の前で繰広げられるマユリの奇行に目を剥く一護の視線が交差する。
「あの時も思ったが、一護の膝は柔らかいね。そう・・・安心できるとでも言うべきかネェ?」
「はぁ?何だよそれ、春の気候に頭でもやられたんか?」
「失礼なヤツだね!」
 覗きこむ一護の鼻を摘みあげれば『いひゃいッ』と間抜けな声が上がった。少し赤味の残る鼻の頭が一護の子供臭い顔に更に幼さをプラスしている。
「何で、こんなガキにと思ったりもするけどネ・・・好きになったものは仕方ないネ」
「へ?」
 あまりにも小さくて最後の方は聞き取れなかった。ヒリヒリする鼻の頭を摩りながら、首を傾げるそんな一護に、マユリは肩を竦めただ柔らかく微笑むだけだった。
「さっきも言っただろ?気付いた事があると」
 そんな事を言っていたような気もしないでもないが、その後起こった出来事のインパクトが強すぎて記憶の彼方へと追い遣られていた。
「あ、うん・・・そんな事言ってたな・・・でもコレと何の因果関係があんだよ」
 全く想像がつかず眉間に皺が寄るのが判った。その訝しげな顔の一護を、呆れを浮かべた目が下から見上げる。
 その瞳は『判らないのか?』と残念そうにも、静かに責め立てられているようにも感じた。
「ワタシだけが、幸せを感じていたとは・・・何だか不愉快だヨ」
 そう零す声音とは別に、一護の橙色の髪を弄る指は、優しさだけを伝えてきた。一護が何度、視線で促してみても今は口を割りそうに無かった。
 マユリの強情さに肩を竦めて見せ、軽口を叩いた。
「マユリさん、俺はいつまで膝枕してりゃいいんですか?」
「そうさネ。ワタシが満足するまでかナ」
 真面目くさった互いの表情に、どちらともなく吹き出せば縁側で夢のように穏やかな時間が静かに過ぎていった。



「ワタシは一護と出会えて幸せだヨ」
 言葉少なに、二人で過ごす時間の中、そうマユリが呟いた。驚きもあらわにマユリの顔を覗き込めば、柔らかな微笑に迎えられた。
「気付いた事とは、そういう事だヨ」
 心の底から、そう想っているかの柔らかく優しい表情に、一護は頬に熱が集まる。
「な、何ッ!マジな顔して言ってんだよ!恥かしいだろッ」
「恥かしい事なんてないだロ?嘘偽りの無い気持ちなのだから」
「ヤメローッ!!」
 羞恥に耳を塞ぐ一護であったが、その前に鼓膜を擽るマユリの声音が頭をグルグルと廻り、当分は頭を離れてくれそうもなかった。

 そんな一護を呆れの浮んだ眼差しで見据え、ポツリと零した。
「愛を囁くには、もう少し時間がかかりそうだネ」
 聞き逃した事は幸いか?それとも残念な事なのか・・・。
 だが顔を茹で上げ耳を塞ぐ一護を見詰める目は、どこまでも甘く溢れる愛しさに満ちていた。




春コミお礼として書いたブツですが、今更???な感じです。
でも、まぁ甘々を目指しました!ちゃんと達成できているかは非常に微妙。
地獄編も書くよ・・・つうか書きました。
あはは~な感じで行き??かも

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